現在、ブラジル日系高齢者ケア情報調査に参加している本学征矢野あや子教授の記事が日系人向新聞に掲載されました。
JICAによるブラジル日系高齢者支援セミナーと情報収集調査が、サンパウロ、ロンドリーナ、ポルト・アレグレの3地域で実施されるのに際し、日本から調査団が13日から24日まで滞伯している。
調査団は、長野県佐久市の佐久総合病院の北澤彰浩診療部長、征矢野(そやの)あや子佐久大学看護学部教授、JA全中総務企画部協同組合連携課の野口光一氏、同高齢者対策課の川端慎介課長、JICA横浜国際センター市民参加協力課調査役の江本佐保子氏の5人。14日、JICAブラジル事務所の佐藤洋史次長の案内で来社した。
一行は期間中、JICA派遣福祉関連ボランティアをはじめ、援協、憩の園など日系福祉団体関係者と面会。その後、17、18両日に聖市リベルダーデ区の援協ビル内、22日にロンドリーナのパラナ日伯文化連合会、23日にポルト・アレグレ連邦大学でそれぞれ各種高齢者支援の講演を計5回行うほか、各地で関係機関を訪問、調査を行う。
今回の講演及び調査は、超高齢化が進むブラジル日系社会で各施設の収容人数の問題やスタッフの技術不足など、高齢者支援について様々な問題がある中、日本の専門家の視点で現状を分析し、新しい取り組みにつなげることが目的だという。また、日系だけに限らず、非日系人も対象に日本の介護士の資格制度や介護保険の取り組みなどについてのセミナーも行われる。
小泉純一郎首相時代に「長野モデル」と呼ばれ、低医療費を実践してきたという佐久総合病院の北澤診療部長は「2040年には日本の年間死亡者数が170万人とピークを迎えると言われています。佐久病院では地元の大学病院と連携しながら包括的な高齢者ケアを実施しており、ブラジルの日系の人たちが日本の高齢者と同じ取り組みがどれだけできるのか調べてみたい」と意欲を見せた。
また、佐久大学の征矢野教授は「アジアなどでは高齢化が進み、高齢者福祉教育が始まっていますが、机上と現場では違うことが多い。ブラジルで教えられている高齢者福祉が、どこまで理解されているかという現状を自分の目で見てみたい」とブラジル滞在中の抱負を語った。
各地でのセミナー等に関する問い合わせは、JICAサンパウロ出張所(電話11・3251・2655)まで。
2016年3月16日付
佐久大学