【佐久大学で学ぶ皆さんへ】授業開始にあたって学長からのメッセージ
佐久大学の学生の皆さんへ ―授業開始にあたって―
佐久大学・佐久大学信州短期大学部
学長 堀内ふき
皆さん、お元気ですか?
毎日どのように過ごされていらっしゃいますか?
COVID-19の世界的な猛威の中、佐久大学でも、5月6日までの休講を決めましたが、その後の状況の変化を受け、5月7日からは、大学院・短期大学部以外は対面授業は基本的には行わず、インターネット等を利用した遠隔授業、教材などの資料送付による課題学習等を組み合わせて、実施することにいたしました。
いつもでしたら、皆さんが新しいテキストやユニフォームなどを抱え、桜の季節の中、新しい学びが始まっている頃で、暖かな日差しの中に集う、皆さんの姿が想像されます。
これまでも、ホームページやオクレンジャーなどを通して、皆様に何度かお知らせさせていただいてきましたが、まだ治療法や予防法が確立できないでいるCOVID-19に対し、世界中が協力し合って、立ち向かっていますが、皆さんの今は、できるだけ家での生活をして、多くの人との接触を少なくすることが求められています。この度のことは、世界中の人々の意識を変えるとともに、たとえ収束したのちでも経済を揺るがし、人々の心には多くの傷を残してしまうことだと思っています。
私たちは、このような人たちへのケアを担うことが期待されている、保健・医療・福祉の従事者になる者です。病気になって隔離されてしまっている人たち、もし亡くなるようなことになってしまったときには、家族の直接の看取りが許されずに逝かなくてはならない人たちを想像してケアを考えてみましょう。
今、家やアパートで過ごされている皆さん、閉塞感や早く学びたいという気持ちでいっぱいでしょう。でも、この機会を人生の思索の時として様々なことを考え、想像し、今後の自分の姿を描きながら、大事な時間にしていってください。
自分が看護職だったらこの感染症に対してどう対応していくだろう、地域の保健師だったらどのように住民の日常生活支援を進めるだろう、助産師だったら、そして介護福祉士だったら高齢者や障害を持った方たちにどう支援するだろうかなどと、日々考えながら、来るべき自分の学びの時を見据えていてください。
いまのこの時間に、自分たちの先輩は、日々寝る間もなく頑張ってくれています。保健・医療・福祉に携わる厳しさも教えてくれています。私たちは、そのような先輩に感謝しつつ、何をすべきか考えましょう。いくら気を付けていても、感染することは防ぎきれないことでもありましょう。しかし、少なくとも、無症状であっても感染を引き起こしてしまうということが、報告されていることを考え、自分が媒介者にならぬよう、そして感染することがないよう、自らの日常の過ごし方を律していってください。
大学では、皆さんへの教育の質を落とすことがないよう、しっかりと準備して5月からの授業準備にむけて努力しています。
そして、さまざまに経済的な支援方法も検討しています。授業料の分納や延納をはじめ、それ以外の方法についても相談に乗っていくつもりです。
一日でも早く、皆さんに直接会える日を待っています。